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金本位制の仕組から学ぶ金本来の価値
実際に後になって分ったことなのですが、イギリスが金本位制
を採用したのは、金本位制が、世界経済を均衡させる力をもっ
ていることを知っていたからではありませんでした。
銀が本位貨幣から脱落しても、金の産出量の増加で、金だけ
で十分その役割を果たすことができたからです。
ですので、その後は自然に金がイギリス中心の世界経済の中
で、高いシェアを占めるに至りました。
こうしたことは、その後の金が、金貨本位制から金地金本位制
へ、また金為替本位制から金廃貨へと推移していく金の歴史
の中からしっかりと伺うことができます。
また当時の世界の金と貨幣の情勢をみると、いち早く産業革命
を達成したイギリスが、覇権国家の強みから、世界の工場とし
て強力な輸出力をもつこととなりました。
そして、世界貿易の要として、イギリスの通貨を国際貿易上の
決算通貨として流通せしめたことがまず第一に挙げられます。
これに関連してロンドンが金融の中心地となり、当時ロンドンが
世界の中央銀行の役割を果たしました。
イギリスが採用した金本位制度は、典型的な完全自由の金本
位体制で、自動調整的均衡機能をはたすのにもっとも適した
制度であったと考えられています。
イギリスの通貨であるポンドと金の交換が自由で、金の輸出入
も自由で、ポンドの対外払いも金同様に自由で、ロンドンに規模
の大きい自由金市場がありました。
このため、金の大量売買が容易にできたからです。
こうしたシステムを背景としてイングランド銀行が公開市場操作
等を巧みに行うことによって、世界の資金の過不足を調整し、
世界の中央銀行の役目を果たしました。
イギリスに入って来た金をイギリスは世界各国に向けて再配分
し、当時のイギリスは国際収支の大幅黒字国で、その受取超過
分をドンドン外国へ投資しました。
各国の経済が未発達で産業間の資本や労働力の移動が容易
で弾力性に富み、物価も需要と供給を直接反映して素直に変動
する時代であったことです。
19世紀は資本主義経済が全般に上昇期で、金本位制の前提
である金の生産が上昇傾向にありました。
ですので、拡大する国際貿易の決算手段の増加に適応できた
ことなどによって、従来であれば難しいとされていた世界経済
の均衡調整機能を果たすことが出来たのです。
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